マタニティ・ブルース
お産の後、涙を流した経験のある女性は、大勢いらっしゃるでしょう。
これは、いわゆるマタニティ・ブルースでは、ほぼ必ず見られるものです。
他の症状としては、疲れやすさ、集中力の低下、いらいら感、物覚えの悪さがあります。
一方「産褥抑うつ症」はブルーとは違い、症状が概ね産後2週間以上持続するものを言います。
以下、マタニティ・ブルースや産褥抑うつ症になった場合の、対処法です。
本人の心の持ち方のコツ
- わが身に起きている変化の大きさを自覚する
妊娠・出産によって、女性の全身は劇的に変化します。
子宮だけではなく、乳房、心臓や血液、ホルモンバランス、皮膚、体型など、大きく変化します。
また社会的にも、娘・妻から母へと変わります。
これに伴って精神面が革命的に変わるのは、むしろ当然のことでしょう。 - 産褥抑うつ症は、人を選ばない病気
年齢や人種、経済・社会的背景、健康状態、不妊治療歴婚姻歴、妊婦健診の通院状況、全て無関係に発症します。
つまり、ご本人には責任はありません。 - なるべく赤ちゃんと一緒に散歩する
散歩やドライブで揺すられると、むずかる赤ちゃんが落ち着くことは、よくあります。
外に出て、他のママとお話をすると、不安を共有することもできます。 - 助けを求める
ご主人、お母さん、姉妹、お友達、助産師、医師、地域の保健所。
あるいは、同じ体験をした人のHPもあります。
つらい時は、誰かにひと言「つらい」と言ってみて下さい。
周囲の人がすべきこと
- とにかく産婦さんの話を聴く
内なる恐怖や不安、苦悩、葛藤に、何度も何度も耳を傾けて下さい。
その感情に根拠はなく、話に脈絡もなく、到底理解できないかも知れません。
それでも、産婦さんの空回りする思いを、言語化させてあげて下さい。 - 具体的な援助を申し出る
買い物、洗濯、掃除、赤ちゃんを預かる、他の子供の面倒を見る。
食べ物を持って行く、一緒に散歩に出る、食事をする、ひとつでも、代わってあげられそうなことを見つけて下さい。
そして申し出を断られても、決して腹を立てないで下さい。 - 他の子供たちにも関心を示す
産婦さんのお宅に行く場合、他の子供がいるなら、まずその子たちにあいさつをしましょう。
プレゼントは、他の子供たちにも持って行って下さい。
そしてお兄ちゃん・お姉ちゃんに「赤ちゃん見せてね」と頼んでから見て下さい。
周囲の人がしてはならないこと
- 説得しない
産褥抑うつ症になった産婦さんは、通常の思考回路がストップしています。
あらゆる理屈が意味を持たなくなります。
説得されても、つらいだけです。 - ママと赤ちゃんを2人だけにしない
本人は、赤ちゃんや自分を傷つけてしまわないかと、 自分の衝動を恐れており、赤ちゃんと2人になった時が最も危険です。 - サプリメントや健康法を勧めない
ある人には有効なものでも、他の人には逆効果になることはよくあります。
また、本人は気の進まないサプリメントや健康法を断るのにも膨大なエネルギーを使います。
干渉せず、見放さず、ただじっと見守るという姿勢がベストです。