女性の病気について

自律神経失調症

人間の身体活動には、自分で意識的にコントロールできる動きと身体が自動的にコントロールしてくれる動きがあります。手を動かしたり、走ったりする時には自ら神経を働かせることができますが、心臓の動きや食物の消化などの機能は「自律神経」の自動的な働きによっておこなわれています。外からの刺激に対して身体を一定の状態に保つことをホメオスタシスといいますが、このホメオスタシスを司っているのが自律神経です。

自律神経には2つの神経が重要な役割を果たしています。一つは交感神経と呼ばれ、日中の活動を助けてくれます。とっさの際に血圧や脈拍を上げて、活動する体制を整えてくれるのがこの神経です。もう一つは副交感神経と呼ばれ、休むための神経です。就寝時に心臓のポンプ機能を休め心身の休養をとれるように働きます。これら二つの神経は、一見相反する機能のように思えますが、実際にはシーソーのようにお互いが協力し合って働いています。

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れた時に生じる病気です。頭痛、めまい、口の渇き、倦怠感など症状は人によって様々です。検査でないにも関わらず多彩な身体の症状が出てくることや良くなったり悪くなったりを繰り返すことが特徴です。イライラや不安などの精神症状を伴うこともあります。

自律神経失調症の原因を大きく分類すると身体の内部と外部に分けられます。ストレスに弱い体質や性格(几帳面、心配性など)、男性・女性ホルモンの乱れは身体の内部から自律神経症状を引き起こします。一方、仕事や家庭でのストレスは身体の外部からの原因となります。
自律神経失調の予防には、規則正しい生活を送ることとストレス対策が大切です。しかし、ストレスを避けようと思ってもなかなか思うようにいかないのが現実です。
スポーツや芸術などその人個人に合った、ストレス発散法を獲得することがポイントとなります。

自律神経失調症に対する専門的な治療には薬物による治療の他、リラックスすることによって、普段コントロールできない自律神経系の働きを安定させる方法があります。心療内科なででよく用いられる、自律訓練法やバイオフィードバック療法といった治療方法もリラクセーション法のひとつです。