女性の病気について

うつ病

うつ状態、うつ病

憂うつで気持ちが晴れず、好きだったことにも興味が持てない、食事が美味しくない、ぐっすり眠れない、意欲が出ない、集中できない… のがうつ状態です。特に冒頭2つの症状が重要ですが、症状がほぼ1日中ほとんど毎日あり、2週間以上にわたり、生活に支障があると、うつ病が疑わしいです。身体の不調も多くみられますが、特に睡眠の障害(不眠)は初期のサインとして重要です。

診断

下記の症状が2週間以上続く場合、専門医に相談することをおすすめします。

<精神症状>

〇抑うつ気分・楽しみの消失: 「気分がはれない」、「楽しくない」、「悲しい」
〇意欲・興味・関心の低下: 「何もやりたくない」、「どうでもいいや」
〇不安・焦燥感 : 「いろいろなことが心配」、「いらいらする」
〇思考力・判断力・集中力の低下: 「なんだか仕事がすすまない」、 「どうすればよいかわからない」
〇自責感 : 「みんな自分が悪い」、「自分はだめな人間だ」
〇希死念慮 : 「いなくなってしまいたい」、「死にたい」

<身体症状>

〇睡眠障害(不眠):「寝付けない」、「途中で目が覚める」、 「朝早く目が覚める」、「寝た気がしない」
〇食欲変化 : 「おなかがすかない」、「食べてもおいしくない」、 「過食してしまう」
〇倦怠感・易疲労感: 「だるい」、「すぐに疲れる」
〇その他の不調 : 「頭が痛い」、「めまいがする」、「おなかの調子がおかしい」

鑑別診断

一見うつ病にみえても、別の病気や原因でうつ状態をおこしていることがあります。
身体疾患と関係するうつ状態、薬剤やアルコール性のうつ状態、また、他の精神疾患でみられるうつ状態との鑑別が必要です(治療方針が全く違ってきます)。

うつ病の性差など

うつ病は女性に多い疾患です。また、月経周期の黄体期にうつ状態を繰り返す月経前不快気分障害、産後のうつ病、閉経前後のうつ状態など女性特有のうつ病、うつ状態があります。

治療、予後

治療は、休養、薬物療法、精神療法~カウンセリングの3つを組み合わせて行います。
(※電気痙攣療法、反復経頭蓋磁気刺激法については割愛)
ご自宅での療養が難しい場合、あるいは病状によっては入院での治療を検討します。
神経伝達物質の働きをサポートするために抗うつ剤を使います。抗うつ剤には幾つか種類があります。効果や副作用など疑問があれば主治医とよく話し合いましょう。
治療期間中、医師やメディカルスタッフとの対話の中で精神療法的かかわりを受けることになりますが、特に回復してきた時に、自分の考え方や行動のパターンを見直してみることが有効です。

治療にはそれなりの期間を要します。また、良くなってからもしばらく再発予防を続けることが肝心です。