乳房の痛み(乳房痛)
乳房痛は、思春期、月経期間、妊娠期間、閉経期と女性の一生のどの時期でも起こす可能性があります。
乳房の痛みの原因には、授乳に関するものを除くと、外傷や感染、皮膚炎、腫瘍など様々なものがあります。アルコールやそれに伴う肝障害、循環器系の薬などでも乳房痛は起こる事があります。しかし、痛みの原因の多くはホルモンの影響によるものです。女性はホルモンの影響下で月経周期に伴うさまざまな変化を繰り返します。半数以上の女性が月経に伴う乳房痛を感じていると言われており、大部分は何ら心配のないものです。
しかしもちろん乳がんを否定しているのではありませんので、乳がん検診は定期的に受けるようにしましょう。しこりを触れるかどうか、分泌物が出るかどうかを気にしてみてください。しこりは可動性がありますか?分泌物は血性ですか?チェックしてみてください。しこりがあるときや、分泌物があるとき、症状が続くときは専門医に相談しましょう。
月経前の乳房の痛みには、OCなどのお薬での治療が有効なこともあります。女性はどの年代の方でも乳房痛を感じる可能性がありますが、それは痛みだけでなく、不安という要素が加わり一層の心の重圧となります。我慢せずに一度専門医に相談してみることをおすすめします。なお、お産以外の乳腺に関する事は、一般的には産婦人科ではなく外科(胸部外科)が診てくれます。「乳腺外科」で探してみてください。
文献
Pamela D. Berens, Breast Pain: Engorgement, Nipple Pain, and Mastitis. Clin Obstet Gynecol.;58(4):902-14, 2015